1 遺産分割協議をする場合には、一同に会さなければならないか?
⇒ 持ち回りで全員が承認する方法でも、同一内容の書面を相続人分作成し各自
署名押印しそれら全部を合わせて1通の遺産分割協議書とすることも可能です。
2 特定の相続人が被相続人の
財産全部を相続するとの遺産分割協議も可能か?
⇒ このように相続する財産を具体的に特定することなく特定の相続人がすべて
の遺産を相続するという内容の遺産分割協議書でも有効です。
3 相続人中1名は特別受益者である場合、遺産分割協議はどのようにするか?
⇒
特別受益者以外の者のみが遺産分割協議をすればよい。
特別受益者は特別受
益証明書を作成する。
4 「共同相続人ABCのうちABのみに相続させる。分割方法はABの協議で決め
る」という遺言とABの分割協議書で相続手続は可能か?
⇒ 可能です。
5 父が死亡した後母が死亡した。子2人のみの遺産分割協議書で相続手続はできるか?
⇒ 可能です。
⇒ ただし、母親と生前遺産分割協議をしており母が相続するといった内容の協議
がなされていたならばいったん母名義の登記をしたあとに遺産分割協議を行い
それに基づく相続登記をすることになります。
6 一部分割
相続財産中、ある土地のみ遺産かどうか争いがある場合、遺産であることに争い
のないその他の財産のみについて遺産分割をすることはできるでしょうか
⇒ 一部分割も有効であるが
⇒ ただし、例えば相続人がABであり、遺産は預金と土地であり、その土地上に
はAが建物を建てて住んでいる。土地については結局Aが取得するのが妥当とい
う場合に、預金を単純に2分1に分割してしまうと後に土地はAが取得する代償
としてBがAに代償金を請求できるとしても、その時点でAが無資力になっていた
ような場合がありうるので気を付けなければならない。
⇒ また、預金をAが3分の2 Bが3分の1と分割した場合に、後の土地の分割に
ついて何も定めておかないと、預金の時の分割割合を土地のときに調整して平
等とするのか、預金とは別に2分の1にするのか争いが生じるおそれがあるた
め注意が必要である。
7 債務負担の方法による遺産分割
父が死亡し、自宅の土地建物が遺産である場合、相続人は子AとBであるが、Aは
同居していたためAが
土地建物を相続したい場合
⇒ 特定の相続人が現物を取得する代わりに他の
相続人に対し債務を負担する方法
(代償分割)がある。
⇒ ただし、支払いが確実になるように何らかの方法をとっておくべき。
⇒ 代償金の支払いをするべき相続人が支払いを怠っても債務不履行を理由とする
遺産分割協議の解除はできない(判例)。
⇒ 従って不安がある場合には、現物取得した
不動産に抵当権等の担保を設定して
おくことも検討する必要もある。
8 換価分割
⇒ 遺産を売却してその代金を共同相続人間で分配する方法
⇒
譲渡所得税がかかるのでその点は注意が必要です。
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