1 相続人による登記
被相続人が生前において売買・贈与等をしながら登記をしない前に死亡した場合
⇒ 相続人によって登記申請をすることになります。
(1)登記義務者(売主・贈与者等)が死亡した場合
⇒ 相続人全員が登記義務者として申請しなければなりません。
⇒ 相続人には、特別受益者や遺産分割によって当該不動産につき権利がない者
も含まれます。
⇒ ただし、
相続欠格者・
廃除された者・
相続放棄をした者は含まれません。
(2)登記権利者(買主・受贈者)が死亡した場合
⇒ 相続人の1人が申請人となればよいとされています。
⇒ なお、売主から被相続人への売買による所有権移転を省略して、直接売主か
ら相続人へ移転登記をすることはできません。
2 抵当権抹消の登記
抵当権設定者(不動産の所有者)が死亡した後の日付で、債務が完済されて抵当権
が消滅した場合。相続登記をしないで抵当権の抹消登記をすることはできるかとい
う問題
⇒ 所有権に関する相続登記をしてからでなければ抵当権の抹消をすることは
できません。
3 農地の売買において農地の売主が死亡した後に
農地法3条の許可があった場合
⇒ 売主について相続登記を経てからでなければ買主への所有権移転登記はでき
ません。
4 農地の売買において農地の買主が死亡した後に
農地法3条の許可があった場合
⇒ 許可自体が無効となります。
5 賃借権(公営住宅の場合)
公営住宅の場合にも賃借権は相続されるかという問題です。
⇒ 公営住宅は入居者の条件等が法によって定められていることから当然には相続
されないというとするのが判例です。
⇒ ただし同居の相続人が入居資格を満たしていれば引き続き使用を認めているよ
うです。
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